トリックを見抜け!? 大事なのは売上×利益ではなく・・・





商品を10個10,000で仕入ました。@1,000
商品を8個12,000で売りました。@1,500
さて、いくら儲けたでしょう?

①12,000-10,000=2,000円
②12,000-8,000=4,000円

正解は、②の4,000円。

1個1,000のものを1,500円で売るので、1個当たり500円のもうけ。
8個売れれば、500円×8個=4,000円。
*商品の残り2個2,000

当たり前の話である。
問題は、売れる商品よりも多く仕入れることの意味である。
商売というものは、まず投資(出費)がある。
そして、そのあとお金を回収することになる。
一般的に、お店に行って商品が売り切れ状態、であるならせっかくの売上の機会を見逃すことになる。
ゆえに、商売はある程度、見込みの売り上げよりも、多めに在庫を仕入れておくことになる。
ただ、多く仕入れると、それに合わせて売上もある程度増える。
しかし、売れ残りも多くなる。
売れ残るということは、在庫が多くなっている、ということである。
そうなってくると、損益計算書上、儲けがある会社であっても、貸借対照表上に在庫が沢山あがっていれば、経営判断を疑わなければならないであろう。

売上と仕入しかない場合を考える。
仕入100個@1,000=100,000円(先行投資)
売上10個@1,500=15,000円(回収)

損益計算書
①売上 15,000
②仕入 100,000
③在庫 90,000
④儲け 5,000

②から③を引いた、10個@1,000=10,000円分だけ、売上に貢献して、残りの90,000円分は売れ残りである。
確かに、儲けが5,000円上がっているが、一方お金の動きをみてみると、

投資 △100,000
回収 15,000
未回収△85,000

つまり、儲けがでているはずが、お金が不足しているのだ。
一方、仮に全部売れた場合は、

投資 △100,000
回収 150,000
お金 50,000

となり、お金が当初よりも増え、商売成功である。
ちなみに、儲けは@500×100個=50,000円となり、お金の増と儲けが一致する。

以上みてきたように、単純に儲けだけ、売上だけに意識が向いていると、本当の意味でのもうけ、在庫を抱えて投資しすぎ、キャッシュ不足の危機を見逃してしまうことになる。
お金が増えてこその、儲けなのだ。

フォローする