「相続開始後」でも提案できる相続アドバイス




この本は、相続税関係に必要な知識がほぼ網羅されている。

初回面談から資料の収集、最新の情報から、税務調査まで網羅されている。ただし、この本を読んで相続税の申告をしようと思う人には向いていない。

特によかった点
・配偶者居住権について具体例で紹介していること、また小規模宅地の適用可否についてわかりやすく分類していること
・国外転出時課税制度について紹介していること

配偶者居住権は、内容はわかっていたが、具体的な計算方法まで理解していなかった。しかしこの本を読めば計算方法まではっきりと理解できた。

笹岡宏保さんの令和2年4月改訂 これだけはおさえておきたい 相続税の実務Q&Aにも配偶者居住権について紹介されているが、「相続開始後」でも提案できる相続アドバイスの方がよくわかった。

また、対象者がいないため気にしていなかった情報である国外転出時課税制度についてもうっすらと理解できた。

この本は税抜き3000円だけど、十分買う価値がある。これだけの知識を教えてもらおうとすると普通なら数万円は必要だと思う。配偶者居住権は、2次相続を含めて十分役に立つ制度であることがわかった。もちろん、誰につかっても100%節税になるという話ではないが、知っているのと知らないのとでは雲泥の差。

ばかの一つ覚えのように、節税のために不動産に賃貸物件を~なんていう内容の本を読むくらいなら、誰にでも適用可能な上記の知識を知っているほうがよっぽど役に立つ。

相続税の申告をする税理士なら必携の本だと思う。

その他の情報は、他の本でも触れられている内容が多いので、特に上記の点でお勧めする。

フォローする