借入金と利息の意味




お金を借りたら、返すのは当然である。
そして、全くの第三者からの借入であるなら、利息を付すのも当然である。
*親しいもののほうこそ、利息は払うべきである。

さて、借入金のこととなると、返済しなくてもいいなら返済したくないなぁ。
という甘い幻想を抱いたりするのではないだろうか。
そんな甘いことはないのであるが、知人などの場合、計画的な借り逃げの場合、などそれを実行するものがいるので困ることになる。

まあ、実際素人がお金を貸す時には、返済されない「つもり」で貸すのが一番である。
*この考えを逆に利用して、返さなくてもいいといってるわけではない。

ところで、一般人として、借金が常に必要な状態というのは少ない。
例えば、住宅ローンをくむ、自動車を分割払いで購入、といったちょっと高めの買い物くらいではないだろうか。
なので、借入が減ったから、すぐ次に借入が必要な状態というのはそんなにないであろう。

ゆえに、ここでは会社(法人)や事業者を前提に話を進める。
さて、お金はいくらあったらいいだろうか?
こんなおおざっぱな質問に、答えがあるのか疑問であるが、何かしらの目的で物事を考えると答えは見つかるものである。
経営分析の一つに、当座比率や流動比率、といったものがある。
これはこれで、正しい指標である。
この比率は、安全性を判定するものである。
しかし、お金を会社にため込んでいても、お金(利益)を生み出すわけではない。
もし、遊んでいるお金があるなら、それは死んでいるのと同じである。
つまり、無駄にお金をためていると、非効率である。

さて、ここではもうひとつ、安全という視点で付け加えることにする。
それは、月商(月の売上)の何ヶ月分お金があるかである。
通常は、売上からもろもろ経費を引いた残りが利益である。
つまり、月商分のお金があれば、少なくとも1月は資金が底をつくことはない。
こういった考えから、月商の2~3か月くらいはほしいところである。
この視点は、実は理解しにくい。
というのも、これは経営者が資金繰りを考えるときの視点だからである。
一般的に貸借対照表や損益計算書を読める人はいても、キャッシュフロー計算書・・・というよりも資金繰り表を読める人間はまだ少ない。
そして、会社がもっとも注意しなければならないのは、儲けがでることもそうであるが、お金がショートすることである。
*儲けがでている=資金がある、ということではない。
なぜなら、今は現金商売ではなく信用商売(つけ)があるからである。
例えば、当月分の電話料を翌月引き落とすというケースを考えてもらえれば、儲けと入金の時期にズレがあるのがわかると思う。

ここで必要になってくるのが、借入金、である。資金がショートしないように、うまく借入を利用しなければならない。
そして、実際はそんなに簡単に「銀行」からは借入できない。時間もかかる。
ゆえに、お金がショートしそうな時期を前もって予測し、それに備えて、借入の準備もしなければならないのである。

ところで、借金が嫌いな社長であれば、借入を早く減らそうとする。しかし、借金は自分が思っている時に都合よくできないものである。
利息が高いから、早く返したい。
それは、ある意味当然の思考である。
しかし、利息をきちんと支払うということは、借入先にとっては、安心できる、優良なお客さんである。
いわば、利息というものは、次への借入のための安心料、も含まれているのだ。
さて、あなたはどちらの視点を好むだろうか?
借入は良い・悪い?
利息は無駄・必要?
物事は、どの視点で物事を考えるかによって、結論は変わってくるものである。

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