零細企業の資金繰りは死活問題! いきなり何十万円もとられて・・・




今回は、零細企業の深刻な悩み、資金繰りについてである。

実際にあった出来事である。

事業を行っていると、税金の支払いが発生する。利益が出ていれば、法人税(所得税)・住民税・事業税。利益とは無関係に、売り上げがあれば売上税、すなわち消費税。零細企業は、なんとか資金をやりくりしながら商売を続けている。赤字であれば、上記の法人税等は基本的にゼロになる。しかし、消費税だけは、赤字であっても支払いが発生する。

本当にお金のないところは、税務署に一括で支払ができないので、分割払いにしてもらっている。そうやって、当たり前のことだけれど、なんとか税金を支払っている。

今回起きた事件は、その納税者の通帳から、30数万円いきなり引き落としがあったのである。どういうことかというと、消費税等は、ある一定金額以上の税額になると、翌年の消費税の一部を前払いで徴収する、中間(予定)納税がある。税務署にとっては、納付漏れを防ぐため、納税者にとっては、一回で支払う負担を減らすため、といった理由かどうかは曖昧だけれどそういう制度がある。そして、今回、この予定納税を自動的に引き落とされたのだ。

この事業者は、個人事業主で、振替納税の手続きをしていた。前年までは、予定納税の必要性はなかったのだけれど、消費税率が8%になったため、条件をクリアしてしまった。

確定申告では、分納の手続きをしているのに、税務署は予定納税の通知を一切せずに、当然のように予定納税額を引き落とした。納税者の言い分は、お金がないから確定申告で分納にしてもらったのに、予定納税で一括でお金を引き落とされたので、やっていけない。廃業の危機だ。

私も、その通りだと思う。

確定申告時に分納の手続きをしているのに、前払い時に一括で引き落とすとどうなるのかわからないのだろうか。通常は、予定納税でも分納の手続きはできる。しかし、今回たまたま予定納税に該当して、しかもその旨の通知もなくいきなり引き落としをすれば、分割の相談もできない。

税務署に確認すると、すでに引き落としになったものはどうしようもない、ということだ。

前もって通知があり、それを失念して一括で引き落とされた、というのであればまだわかるのだが、なんの知らせもせずいきなり引き落として、引き落とした結果だけを教えるなんて、横暴ではないだろうか。

今回のケースでいえば、振替納税にしていなければ、知らせがきたのかもしれない。または、たまたま予定納税になったことを、税金のことがよくわからない零細企業だったから仕方がない、といえばそれまでだ。

しかし、一般の経営者で、今までなかった予定納税が、今年から発生する、とわかるだろうか?事業者は、首をくくれということか!と嘆いていた。正直、私がお金を融通してもいいのだけれど、このようなことは、多くの事業者に該当するのではいだろうか。消費税が8%でさえこうなのだ。10%になれば、零細企業は消費税のためにつぶれてしまうというのは、現実に起こりそうである。

何かいい知恵はないものだろうか・・・

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