住宅ローン控除の意外な落とし穴




住宅を購入するなら、ローンが一般的であろう。
(キャッシュで一括払い、というケースもあるだろうが)
そこで、住宅ローン控除というものをつかえるわけであるが、(条件が満たされている場合)サラリーマン(サラリーウーマン)であれば年末調整、自営業者等であれば確定申告で住宅ローン控除を適用する。

さて、今回問題としているのは、住宅ローン控除の借り換えがあった場合である。
住宅ローン控除は、条件が限定的であるため、基本的に借り換えはダメだというスタンスである。しかし、例外的に当初の目的のためと明らかな場合は、借り換えもOKである。

そこで、国税庁のHPでも掲載されているのであるが、当初借入金残高と、借り換え後の借入金との数字の大小で問題が生じることがある。

①当初借入金の借り換え前の残高 1200万円
②借り換え後の借入金 1100万円

この場合は、借り換え後の金額は、借り換え前の金額より低いので、借り換え後の「全額」は、借り換え前の分と同じ目的であるということが推定できる。

1200>1100

①当初借入金の借り換え前の残高 1200万円
③借り換え後の借入金 1300万円

この場合は、借り換え後の金額は、借り換え前の金額より多いので、借り換え後の「何割か」が、借り換え前の分と同じ目的であるということが推定できるが、一部はあきらかに目的外である。

1200<1300

普通に考えると、借り換え前が1200万円であるため、借り換え後の1300万円のうち、1200万円分が住宅ローン控除の対象部分である。これだけであれば、簡単であるけれど、問題は、金融機関から年末に送られてくる住宅ローンの残高である。通常、金融機関は、新規に借り換え前より多くの借り入れとなった場合でも、「総額」で残高証明を送ってくる。つまり、年末の残高が、1150万円であれば、このうちのいくらが住宅ローン控除対象分かわからない。そこで、年末の残高を、按分計算するわけである。

1200/1300

この利率が、今後住宅ローン控除の年末残高を計算する割合となる。

今回の例でいくと、年末残高1150×1200/1300 となる。
1150万円の全額が、ローン控除の計算の対象とはならないのである。

そして、サラリーマン・ウーマンの場合、勤務先にローンの借り換えがあったことを報告しないと、誤った計算をしてしまう可能性がある。言われてみれば確かに筋が通っているが、借り換えの事実を伝え忘れないように注意が必要である。

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