大学を新卒で入社したA君。
今までアルバイトもせずに、就職活動。
なんとか、B社の内定をゲット。
月収20万円と、やや高めの給料に満足していた。
そして翌年になり、4月の昇給に期待していたが、なんと昇給ゼロ。
「今年も20万円か」
そう思っていると、急に手取りがいつもよりも少なくなった。
「なぜ!?」
A君は、給料明細をまじまじと見つめた。
そこにあったものは・・・
『住民税』
さて、住民税というものがある。
税金の一つで、都道府県や市区町村に支払う税金である。
簡単に言うと、住んでいることで、道路とか消防とか、公共施設の利用、みたいなものを支払う代金である。
この税金は、所得税とは異なり、確定した前年の収入(所得)から計算され、社会人なら、入社の翌年6月から給料から引かれることになる。
*所得税は、概算で毎月天引きして、年末に清算される。
→俗にいう年末調整である。
ゆえに、昇給がない場合、前年よりも手取りが減ることになる。
問題は、会社を辞めた時である。
新入社員は、翌年の給料から天引きされるので、手取りが減るだけで支払に困ることはないだろう。
一方、退職者で次の就職が決まっていない、(収入のあてがない)
もしくは定年退職の場合などは、辞めてから翌年5月までの住民税の支払はもちろんのこと、辞めた翌年に支払う住民税も準備しなければならない。
無収入な時に、背後から忍び寄る住民税。
支払に困らないよう、退職前には忘れずに。
*住民税は、所得税の計算と若干違うのだけれど、
退職時に貰える源泉徴収票からざっくり計算できる。
現在住民税率は10%なので、
(給与所得控除後の金額 – 所得控除の額の合計額)×10%
住民税の支払いは、6月~翌年5月が一区切りである。