副業したら会社にばれますか? 所得の種類




会社に内緒でお金を稼ぎたい!副業をはじめたい!と思っている人にとって、よそで働くことを会社に知られたくないと思う人は多い。
悪いことではないと思われるが、会社が副業を禁止していれば問題となる。

さて、模範解答はこうである。
ばれることもあれば、ばれないこともある。
ここで、ばれる、というのはどこでばれるのかを説明しておこう。
それは、住民税の通知、からである。

所得税というものは、年末で清算される。
仮に、問題があれば、たとえば扶養に入れない人が扶養になっていた、といった場合、税務署から是正の書類は送ってくる。
副業といった2か所からの所得がある場合、通常、確定申告をしなければならない。
よく、▲■20万以下なら~しなくてもよい、と聞きかじった人がいる。
この場合の20万、というのは所得が、ということである。
*決して収入ではない。
収入-経費=所得
つまり、収入が仮に1,000万円でも、経費が990万円であれば、儲けは10万円、なので申告不要である。

これを読んで、だったら年間20万円も稼がなければよい、と思った人は間違いである。
というのも、上記の条件は、給料収入以外の所得が、というものである。
どういうことかというと、所得には10種類もあり、多くの人の収入は、その中の1つである給料である。
他には、銀行にお金を預けた時にもらえる受取利息(利子所得)、退職金(退職所得)、家を売ったときの譲渡所得、など、さまざまな種類がある。
多くの人は、お金が手に入ること=所得(1種類)と考えがちである。
しかし、上記で示したように、収入の性質により、いくつか分かれているのである。
正確ではないが、この所得のうち、給料ではない所得が20万円以下であれば、確定申告をする必要がない、ということである。
*ただし、これはあくまで所得税の清算を目的とした確定申告が不要、
というだけであり、住民税はきちんと申告しなければならない。

ところで、副業といえば雑所得になる、と思っている方も多いようだ。
つまり、メインが給料(給与所得)であり、サブがその他の所得、つまり雑所得、といったふうに。
また、インターネットには素人が嘘を平気で書き込んでいるため、副業は雑所得だから、所得が20万以下なら確定申告する必要がない、といった間違った情報が広まるのである。
*最も、自分に都合のいい情報を信じたい方には嬉しいかもしれないが。

さて、給料になるか給料以外(雑所得)になるかは、本来は内容によるのである。
しかし、実際のところ税務署は内容の前にまず証拠で判断する。
(いちいち調べると時間がかかる)
ということは、副業で発行される証明書が、源泉徴収票(給料)なのか、支払調書(雑所得)なのか、でとりあえず判断されるようだ。
ということは、副業先に雑所得になるようにお願いすればよいのである。
*もちろん、明らかに給料なものを雑所得にすることはまずない。

こうして、確定申告をすることにより、その年の6月から住民税が変わることになる。
一般的には、確定申告書に、給料以外の所得を、普通徴収にするか特別徴収にするか選択することができる。
普通徴収とは、自宅に市区町村から送られてきた納付書をもって、自分で支払う方法である。
コンビニなどで支払が可能だ。
一方、特別徴収とは、会社が自動的に(強制的に)徴収する方法である。一般的に、副業が会社にばれますか?というのは、まず、確定申告で副業を普通徴収にでき、その結果、会社に副業の分が含まれていない(本来の給与分の)通知がいくことで、副業の収入がばれるのを回避できる、ということである。

しかし、問題はあくまでお役所仕事。
普通徴収にしたのに、間違って特別徴収にすることもある。
だからといって、会社にばれるのか、といえば必ずしもそうではない。
というのも、会社の内部に届いた通知を、必ずしもひとりひとり細かく内容を確認するとは限らない。
一般的に、経理(総務)の方が処理を行うことになるだろうが、給料から天引きする住民税の金額を気にすることはあっても、その中身までしっかり熟読するケースは少ないのではないかと思う。
なぜなら、そんなことに意味がないからである。
*通常の方なら、他に仕事があったり忙しいので時間がもったいない、
と考えるだろう。
副業者を見つけることで、評価が上がるならわからないが。

そして、もうひとつ。
必ずしも、内容を理解できるとは限らない、ということである。
収入や所得に精通していないと、明細をみてもよくわからないだろう。
そして、年末調整時の所得と、わざわざ比べて読まないと、誤差もわからないであろう。
毎年給料の金額が一定だとか、人数が極端に少ない、というような状態でなければ普通は気付かないだろう。
これは、あくまでもばれるかばれないか、といった確率の話である。
その場合、上記の理由から、思ったほどはばれない、というのが私の結論である。

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