商売には、お客さんがという登場人物が必要である。
さて、商売(従業員でも)をしていて、お客さんを紹介してあげましょうか?
という言葉を聞く機会はあるだろう。
相手は親切心で言っていると思うのであるが、実際のところそう単純ではない。
不特定多数の客をターゲットにしているのか、継続的に取引をする客をターゲットにしているのか。
例えば、不特定多数の相手をターゲットにするのであれば、お客さんが増えることは、即売上に繋がり、喜ばしいことである。
それが単発の取引であったとしても。
しかし、継続的に取引をする場合には、注意が必要である。
というのも、継続的な期間を例えば最低1年だとする。
そうした時に、変な客と契約してしまうと、その1年間その変な客に振り回されることになる。
例えば、期限を守らない、入金が遅れている、など。
そして、さらに問題なのは、仮に1年が最低契約期間だったとしても、ばっさり契約を断ち切る判断をできないところである。
というのも、例えば経営者=対応者であるなら、契約解除の判断もすんなりいくかもしれない。
しかし、経営者≠対応者(例えば従業員)であるなら、いくら対応者が問題を上げても、上がその判断に躊躇するかもしれない。
こういうケースがあるため、簡単に契約をする、ということは実は難しい。
また、断るときには、紹介者との関係もあるため、断りにくいというのもある。
性質が悪いことに、紹介者はこんなことを考えず、親切心で紹介してくることである。
もっと性質が悪いことは、紹介先の事業内容を全く理解していない場合である。
以上のことから、継続的に取引をする場合、紹介はお断りすることを勧める。
(あきらかに優良であると判断される場合を除いて)
例えば、今現在売上が少ないので、藁にもすがる・・・というのなら、否、それでも断るほうがよいであろう。
なぜなら、将来売上が増えてきたときに、一番に契約解除の候補になるからである。
そして、もしそういうところしか相手にできないのであるならば、商売が成り立たないので、商才がないということである。
*ただし、紹介者が信頼できる場合は、話を聞く価値はある。